【ブラタモリ:その3】四万十川、最後の清流には、その成り立ちに秘密があった!
四万十川の源流点は、地質構成として、四万十帯ではなく秩父帯でした。この意味が四万十川を創り出したことに繋がっています。
大きな蛇行と四万十川の成り立ちには、関係があります
四万十川は大きく蛇行しています(穿入蛇行です)。
四万十川中流域(河口から80km)に、
四万十川より20m高い場所に水田がありました。
ここの水田は、深い谷のなかに広い平地が現れています。
タモリさんは、不思議な地形だと言いました。
どうやら、随分前に、川が流れていた場所が平地になったようです。
蛇行が激しくなって・・・
近道(ショートカット)した形ですね。
随分前(数万年前)までは、川が蛇行していた跡なのです。
川が蛇行しています。その川の流れが、カーブ(蛇行部分)の外側を削ります
数万年前についに、蛇行部分をショートカットして、直線の川の流れになりました。
その後、地殻変動で土地が隆起、川は下へと浸食を続けていきます。
この様な経緯があり、川より20mも高いところに平地が残ったのです。
広い平地が、山奥にできて、生活に不可欠な米作が可能になっていきました。
四万十川は全国有数の氾濫地帯です。
川から高い場所は、水害から人間の身を守ることになります。
※四万十川が数万年かけて生み出してきたという事になります。
四万十川流域の土台は「付加体」!
【何故土地が隆起したのでしょう?】
大陸プレートの下に海洋プレートが、もぐり込んで、
海底で貯まった砂やゴミが、大陸プレートの上に押しつけられました。
これを付加体と呼んでいます。
出典:NHK「ブラタモリ#155」2020/02/08放送
プレート運動が、付加体を形成しつつ四万十川流域を押し上げて隆起させてきました。
地質でいうと四万十帯(1億4千万年前以降にできた)。
四万十川は、殆どの流域で四万十帯の中を流れています。
四万十川、上流(120km地点)で大きく西へ流れを変えている
長い年月(数万年~数十万年)をかけて、
土地の隆起(大きな大地の力)が、四万十川・清流の風景を生んできました。
四万十川の河口から120kmの上流域で、見たもの
四万十川の河口から、120km上流での出来事に驚かされました。
この地点で、源流から南に向かって流れてきた四万十川が、
海に向かわず、大きく西へ流れを変えています。
西へ大回りしたことが四万十川を全長192kmの大河にしたと言えそうです。
四万十川は、何故、上流・120km地点で西に大きく曲がった?
四万十川の上流・120km地点で、
太平洋へと流れていた四万十川の行く手を阻んだものは、
山(70万年前~10万年前に隆起)だった。
山が隆起してきて、四万十川は行き場を失い、西へ大回りすることになったのこと。
付加体が成長してくると地表面で、
付加体が創り出したシワ(山や谷)が四万十川の流路を決めます。
この河口から120kmの場所が、四万十川の運命のポイントと。
ここで大平洋に注いでいたら、四万十川は全く違った歴史を描いたことでしょう。
いよいよ四万十川の源流点へと辿り着きました
源流点まであと6kmに船戸という最後の集落があります。
源流点まで徒歩で険しい山道を25分の集落です。
この船戸という集落から、源流・不入山(いらずやま)が見えています。
不入山は人の手が殆ど入っていません。
ブナやケヤキが自生林としてあり、落ち葉が雨水のフィルターの役割を果たすので、
綺麗な水が四万十川に流れていきます。
集落(船戸)から、源流へと登山道を行くと、途中に石灰岩がありました。
石灰岩は、南からサンゴ礁がが付加体として乗り上げ、四万十帯の北側・秩父帯に入ってきたもの。
2億年前にプレートで運ばれ、付加体として隆起したものが石灰岩。
四万十川の源流点は、秩父帯にあります(源流点は四万十帯ではない)。
砂岩・泥岩(柔らかい)の四万十帯から、硬い岩石の秩父帯に入っています。
源流地点の硬い岩は浸食されず高く険しい急峻な山になり、
その結果、四万十川が生み出されているのです。
不入山の降水量は全国平均の2倍もあります。
太平洋からの季節風が大量の雨を降らせ、絶え間なく水が送り込まれています。
源流点が秩父帯だったから、四万十川ができた
この様な事を総合的に考え、
源流点が秩父帯だったから、四万十川ができたと言えます。
また四万十川には、ダムがありません。
ダムがあると土砂が溜まり清流を保てません。
四万十川は、ありのままの自然が残っている川です。
JR予土線を一両編成の0系新幹線を真似した列車が走っているところが、
番組収録中にありました。とても穏やかな風景。自然溢れる緩やかな時間を感じます。
【川と共に生きる】人と川が上手に共存しています。
四万十川の姿が最後の清流と呼ぶにふさわしい理由が、ここにあります。
この源流の秩父帯(硬い岩)が、険しく急峻な山をつくり、
四万十川が最後の清流と、呼ばれる自然を残しています。
「最後の清流。その通りです」と、タモリさんの感想がありました。
長い文章になりました。纏まりに欠けて申し訳ありません。
最後までご拝読を頂きましてありがとうございました。